トレッキングガイド

奥森吉(桃洞渓谷コース)
桃洞渓谷全景火砕流大地が侵食された一枚岩盤(全長約4キロ)
右ノ沢一帯の濃い緑は国の天然記念物に指定されている桃洞杉の群落である。
桃洞渓谷の流域は、全域が国指定鳥獣保護区特別保護地区である。

桃洞渓谷 Photo Gallery

桃洞渓谷の概要
<桃洞滝まで>
●桃洞渓谷は全長約4キロ。赤水渓谷や小又峡同様に約200万年前に噴出した火砕流大地が
 侵食作用により形成された桃源郷です

●六階滝と合流する桃同滝までは歩道が整備され、多くのトレッカーで賑わっています。
●野生鳥獣センタから立川親水歩道を経由しノロ川ブナ林を抜け桃洞赤水分岐までは3キロ。
  途中の横滝をスナップしながらブナの森が開ける渓谷の出会までは700m。
●渓谷の出会いから桃洞滝までは500mのウオータートレックを満喫。
●床一畳前後二段に妖艶に輝く甌穴の滝壺群を踏み超えると渓谷のシンボル桃洞滝(20m)が
 六階滝を従えて待っています。
<桃洞滝上流部>
●さらに桃洞滝上流部は、沢装備を整え沢クライミングを楽しむバリエーションルートです。
●上流部は支流の9段ノ滝が合流し、中ノ滝、男滝が連続する 桃源郷の流れを形成します。
●左ノ沢に入り尾根を乗越し源流部を下ると約2時間で赤水渓谷の本流に出ます。
●右ノ沢を直進すれば小滝とおう穴群を愛でながら約2時間で裏安歩道に出ます。
●奥森吉と奥阿仁の分水嶺の裏安歩道を乗越し、更に安滝源頭部を周回するも良し。
●同じ桃洞渓谷を戻れば小滝、男滝、中滝、最後は桃洞滝垂直下降満喫でフィナーレを迎える。
 ※桃洞滝上流部から赤水渓谷への周回や、安滝源流部の周回コースは地元ガイド推奨
 ※近年、浦安歩道の刈払いが行なわれていないため、高場森経由でクマゲラの森を戻るルートは
  お勧めできません。

沢歩き装備
<桃洞滝上流部往復・周回ルート>
沢シューズ ●沢シューズ(ヘェルト、ラバー、スパイク)を最初から履いて行きます。
●スパイク長靴(水量が少ない時はOKですが推奨できません)
●一般の登山靴やビーチサンダルは厳禁。
沢ソックス  ●沢用ネオプレーン又は登山用。
●水が冷たくなる秋以降は長めのネオプレーンソックスが最適。
沢スパッツ  ●沢スパッツもネオプレーン素材の膝まで保護するタイプがお勧め。
●単独の膝サポータもあればベスト。
雨具  ● 防水のレインウェア
●秋以降は防寒具として着込むと転んだり深みに落ちても濡れないので最適。
ザック ● 完全防水パックやザックカバーで簡易防水。
アンダーウェアー ●ラッシュガード、速乾・保温性のあるアンダー。下はポートタイツに速乾性の
 トレッキングパンツ が最適。
防寒具  ●ネオプレーンウェアや登山用フリースなど。
●ダウンは濡れると保温性が無くなるので不向き。
手袋 ●濡れても使い勝手がよいもの。革製の指抜きのグローブがお勧め。
 ヘッドランプ ●赤水渓谷及び桃洞渓谷からの周回ルートは14〜16qのロングコース
 のためしばしば日没になります。ヘッドランプは忘れずに。
ストック ●ウサギ滝までは高低差が少ないのでダブルストックの遡行が便利です。
●渓相状態に合わせてお使いください。
ギア類  ●ハーネス、ヘルメット、管付カラビナ、ATC・8環、120pスリング1本、
 ザイル10m20m30m各1本、残地スリング50p20本等々。

コースタイム
<ステージ@>
野生鳥獣センター→桃洞滝まで

@ノロ川歩道経由:片道4.2km 60分 高低差:15m
※平坦なブナ林のノロ川河畔を往復するコースです。
A黒石川登山道周回コース:片道5.5km 100分 高低差:100m
※クマゲラの森を逍遥するスペシャルコースです

 森吉山荘⇒(車:14q30分)⇒野生鳥獣センター(標高620m)→0.7q7分→立川橋

 →0.2q3分→黒石川登山道分岐(周回コースはここで右折)

 →2.3q35分→桃洞・赤水分岐→0.5q5分→桃洞横滝→0.7q10分→桃洞滝(標高640m)

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森吉山麓高原〜クマゲラの森〜桃洞渓谷〜赤水渓谷(1/50000)

森吉山野性鳥獣センターで奥森吉の情報を仕入れてから立川遊歩道に入る。立川親水ゾーンとして川沿いに巡らした遊歩道は、ノロ川園地を周回する車イス対応のバリアフリー(一周800m)になっている。


立川遊歩道

桃洞渓谷へは400m先の立川橋を渡りノロ川歩道に入る。歩道はブナ林の真只中(国指定鳥獣保護区特別保護地区1,170ha)を行く森林浴コースだ。
 立川橋から200m先が黒石川登山道分岐である。直進するとノロ川と平行する平坦地にノロ川歩道が続く。右折し黒石川登山道を経由するコースは、なだらかな風通しの良い稜線部に巨木が続くスペシャルコースだ。2.5km先の黒石分岐を左に入り、尾根筋を下るとノロ川歩道に交わる。私は、行きは黒石川登山道周りで帰りはノロ川歩道を戻る周回コースをお勧めしたい。
 ノロ川歩道を直進すると2kmで、
桃洞・赤水分岐に到着する。桃洞渓谷へは歩道沿いに分岐を右折する。(赤水渓谷へは川を対岸に渡る)

 渓谷沿いの歩道を500m程行くと落差2m、横一条20mの桃洞横滝が現れる。上流部は平坦な流れが続き樹幹がトンネルを作るビュウポイントだ。水深が515cmよりないので川に入り横滝の頭からの岩魚ウオッチングも良いだろう。さらにトロ場の流れに沿って400m進むと森は開け、一枚岩盤のU字渓谷が姿を現す。


小滝と前方に6段の滝

斜面を飾る潅木林や稜線部のキタゴヨウ、ネズコの植生分布が見事である。おう穴の発達したテーブル状の小滝を越え、左岸を落ちる6段ノ滝の合流点が渓谷のシンボル桃洞滝である。その優美な造形は別名女滝(落差20m)とも呼ばれている。


野生鳥獣センター

立川橋

クマゲラの森

桃洞横滝

尾根筋はキタゴヨウやクロベである

桃洞滝(女滝)

<ステージA>
桃洞滝→中滝→男滝→裏安歩道出会まで

(片道2.5km 120分 標高差200m)

※小滝とおう穴が連続する箱庭のシャワートレッキング


 桃洞滝(標高635m)→0.5q30分→九段ノ滝(標高710m)→0.3q10分→中ノ滝(標高715m)

 →0.2q10分→男滝(標高750m)→1.5q60分→裏安歩道出会い(標高850m)

 ※桃洞滝上流部は沢の遡行になります。ガイド推奨。


桃洞滝の上流部は約2.5キロを遡行する、おう穴と小滝が連続する桃源郷だ。
 桃洞滝の右岸を悠久の昔よりゼンマイ採りが岩盤に刻んだステップを頼りに登る。頭部はおう穴と小滝が連続する箱庭の風景が次々と現れ、淵を曲がるたびに想像心が掻き立てられる。


桃洞滝頭部

徐々に比高を重ねていくと支流の9段ノ滝が見えてくる。この地点は河床が開けた休憩ポイントだ。滝の段数を数えながら至福の一服を味わう。
 さらに緩やかなか河床が続く300m先が上下二段、流量計のような落込みを作る中ノ滝(落差7m)だ。


中ノ滝

左岸のステップを登り頭部に立てば、渓谷稜線部の植生は国天然記念物指定の桃洞杉(天然秋田杉)に変わる。
 横滝上部は緩やかにカーブし、上部右岸には男根に似た岩稜が迫り出している。この造型にあやかり100m先の滝を男滝(落差15m)と呼んでいる。横一条の滝は屏風のように渓谷を塞ぎ、滝壺周辺は摂理とおう穴が点在し全体が湧水の泉となっている。


男滝全容

取り付けられているフックにザイルを固定し滝のテラスを上る。上部から眺める渓谷の眺望は天然杉の木立が囲む箱庭のようである。深山幽谷に足を踏み入れた実感を彷彿させてくれるパワースポットだ。


小滝を登り高度を稼いでいく

周辺の稜線部は徐々に近くなり、平行する桃洞杉の巨木群が圧倒的に迫ってくる。摂理に発達した小滝やおう穴の連続に歓声を上げつつ源流部をつめると裏安歩道(奥森吉・奥阿仁縦走路)に合流する。


上流へは右岸のステップを登る

支流の9段ノ滝

中ノ滝と男滝の中間にある男根は
男滝命名のシンボルだ。

尾根筋に近づいたころ24個のおう穴が連続する河床が現れる。

最寄の宿
<森吉山荘>
 奥森吉の玄関口の湯ノ岱に立地するプチホテル風の国民宿舎です。
<杣温泉旅館>
 300年以上の歴史のある風流な温泉宿。森吉山荘の元湯で源泉掛け流しの露天風呂が人気です。

トレッキングガイドとマップ ネイチャーガイドの申込み
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トレッキングガイドのメニュー
太平湖〜小又峡 小又峡縦走コース クマゲラの森 桃洞渓谷コース
赤水渓谷コース 黒石川コース 桃洞杉観察コース ヒバクラ岳コース
コメツガコース 阿仁ブナ帯コース 中ノ又渓谷コース(安滝) 立又渓谷コース

Googleマップ 気象庁

NPO森吉山ネイチャー協会
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