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2022年6月14日環境省発表 国立・国定公園総点検事業フォローアップの結果 環境省は森吉山県立自然公園を 十和田八幡平国立公園編入か 又は国定公園の新規指定候補地に選定 |
<背景と方向性> ●国連の生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)は、2021年12月に各国が2030年までに海と陸の30%を保全する 目標(30by30)を採択しました。 ●環境省は、この目標達成のため、2010年から実施してきた国立・国定公園総点検事業のフォローアップを行い、 2022年6月14日に、国立・国定公園の新規指定・大規模拡張候補地(14候補地)を発表しました。 ●森吉山は14候補地の一つである八幡平周辺(森吉山・真昼山地・田沢湖抱返り・太平山)に選定されたことにより、 公園区分は、「十和田八幡平国立公園に編入か又は森吉山国定公園の新規指定(格上げ)」を選択することになります。 ●環境省は、拡張地域決定や公園区分の選択は、社会環境等の観点から地域の意向と熱意を重視するとしています。 ●北秋田市は、「森吉山の公園区分の選択」と併せて、将来の公園利用を視野に「森吉山本体の拡張地域」に付いても、 地域の意向を示さなければなりません。 ●環境省は、2024(令和6)年度中に方向性を示したいとしています。 <国立・国定公園の新規指定・大規模拡張候補地の調査手順> ●環境省は環境調査を2023年度からスタートし、30年までに国立・国定公園の拡張と地種区分の格上げに加え、 新規指定(格上げ)を行うとしています。 ●国立・国定公園の拡張や新規指定地域は全国で14候補地(実質23地域)です。環境省は環境調査の受入れ体制が整った ところから進めるとしています。 ●拡張地域の選定要件には、原生的自然のみではなく、人の営みが里山の景観や独自の生態系を形作りあげた 里地里山の二次的自然環境(風土)も、既存の国立・国定公園の風景と一体化していくことが示されました。 ●また、自然公園等の保護地域以外の生物多様性に資するエリア管理(OECM)による保全地域も、30by30の目標値 とされました。 ※OECM:ちいきすあかいの営みで生まれた里地里山、河川、森林、農地、都市公園、企業所有の緑地が対象とする。 ※2030年までに41都道府県184ヶ所、東京23区を上回る面積が認定。 <大規模拡張候補地のパターン> ●環境省の大規模拡張候補地のパターンは三つに分かれています。 ・一つ目は候補地のほとんどが既存の国立・国定公園の拡張グループ(10ヵ所) ・二つ目は既存の国定・都道府県立公園の拡張を伴う新規指定(格上げ)グループ(3ヵ所) ・三つ目が既存の都道府県立公園を国立公園に編入か又は国定公園の新規指定を選択するグループ(1ヵ所) ●森吉山を含む含む八幡平周辺(森吉山・真昼山地・田沢湖・大平山)の各県立自然公園は、 14候補地の内1ヶ所だけ国立公園に編入か又は国定公園の新規指定(格上げ)を選択するグループです。 <国立公園編入又は国定公園の新規指定の選択は地域の意向が優先> ●森吉山県立自然公園は、他市町村に跨らない、北秋田市に鎮座する秋田県唯一の独立峰です。 ●この公園区分の選択は、「社会環境等の観点からの検討」をもとに、地域の意向(北秋田市の合意)が優先されます。 ●また、公園の拡張地域や地種区分の格上げについても、土地所有者(国有林・県有地・民有地等)の了承を 得た上で、諮問機関である秋田県環境審議会の答申が出され、始めて国の環境審議会に諮問され決定が行われます。 ・「国立公園編入の場合」は、環境大臣が関係都道府県及び審議会の意見を聴き、区域を定めて指定。 ・「国定公園の新規指定」は、環境大臣が関係都道府県の申し出により、審議会の意見を聴いて決定。 ●北秋田市民は森吉山を「十和田八幡平国立公園に編入か又は国定公園の新規指定か」の選択と併せて、 拡張地域や地種区分の格上げについても、将来の公園利用を視野に、地域の意向と熱意を示さなければなりません。 <これまでの要望活動> ●22年2月24日に北秋田市の山岳関係4団体(NPO森吉山ネイチャー協会・北秋田市山岳協会・NPO森吉山四季美湖・ NPO森吉山)は連名で津谷永光北秋田市長に対して、具体的な拡張地域(案)を示した要望書を提出しました。 ●9月16日には「9.16タウンミーティング」を開催し、「私たちは、なぜ 国定公園の新規指定を選択するのか」等に ついて、環境省鹿角管理官事務所・県議会議員・市議会議員・一般市民参加による意見交換を行いました。 ●私たち山岳4団体は、「森吉山の価値と未来を考える会」に名称変更し、 11月18日には伊藤信太郎 環境大臣に森吉山周辺の具体的な拡張地域や地種区分格上げ提案と 早期の森吉山国定公園の新規指定を求める要望書を提出しました。 ●今後、継続して環境省・秋田県・北秋田市への要望活動をとおして情報交換を行っていきます。 |
要望書を提出(左:津谷市長) | 全国の選定地の動向や森吉山の具体的な拡張地域(案)を説明 |
<市長答弁抜粋> ●環境省発表の国立・国定拡張計画は、国際公約を待たずにもっと早く進めてほしかった。 ●他の自治体の情報や、拡張地域についても具体的な提案を聴き今後の調査の課題も浮かび 上がり参考になった。 ●過去には十和田八幡平国立公園分割の話もあったようだが今回の拡張計画には無いようだ。 ●大規模拡張と言っても、今のままでの国立公園編入では合意が難しいと思われる。 ●山岳関係者の皆さんが国立昇格(編入)ありきでなければ、一気に国立昇格ではなく、北秋田市単独の森吉 山は 国定公園の階段を踏んでからでもよいのではないか。 ※以上、津谷市長との意見交換は有意義な内容で理解を深めることができました。 |
2023.2.24 | ● 森吉山一帯の国立・国定公園昇格の推進を求める要望書 @2022年環境省発表の国立・国定公園総点検事業フォローアップ結果の概要 <資料-1> A都道府県立・国定・国立公園の比較表 <資料-2> B森吉山県立自然公園の拡張地域(案)概要図と個別地区の画像 <資料-6> C市長との懇談概要 |
環境省のユニフォームで迎えてくれた 東北地方環境事務所 国立公園課 特任担当 課長補佐:丸山 永 |
(1) 森吉山は国定公園の新規指定を要請 ●森吉山は「国立・国定公園の拡張又は新規指定地」に選定されたことに伴い 十和田八幡平国立公園編入か又は新規国定公園の選択が課題となる。 ●私達、北秋田市民にとって日々仰ぎ見る森吉山は、自分自身を確認するアイデンティテーである。 との観点から十和田八幡平国立公園編入は、森吉山の冠名称が消滅することを意味する。 ●地理的に50qも隔たり連山の形成はなく、文化や歴史的つながりも希薄で、 利用の一体性がない国立公園編入構想に市民が納得できる合理性は見当たらない。 ●特に乳頭温泉郷組合の関係者は、十和田地区と八幡平地区分割論議を活発化。 これから離婚協議が始まるであろう相手に、森吉山のあまたのビューポイントを携えて 可愛い愛娘を嫁に出す北秋田市民(親心)としては、誠に忍び難い思いである。 ●さらに国立編入に伴うネーミングの難しさ、青森・岩手・秋田3県と関係市町村の合意等々 クリアーしなければならない社会的要因や課題が山積していることに鑑み、 私達「森吉山の価値と未来を考える会」は新規国定公園指定を要望。 国立公園編入は将来の課題とし、新規国定公園を急ぐべきであることに理解を求めました。 ●丸山課長補佐は、八幡平地区と森吉山地区は地形的に類似点はあるが、 公園利用の面では歩道等の導線もなく、利用の一体性が無いことは把握している。 ●最後に、SNS全盛時代において「国立・国定公園の拡張や新規指定」が イコール地域のネームバリュー拡大に即結び付くものでないとの考えは共有した。 (2) 森吉山の拡張地域と既存公園内の地種区分の格上げ提案 ●また、森吉山周辺の拡張地域と既存公園の地種区分格上げの提案は、詳細な画像資料で説明。 ●丸山課長補佐は、 @このような具体的な資料による提案は、全国的にもこの地域だけ。是非参考にしたい。 A拡張地域や地種区分の格上げ等は、山体や稜線部、登山道からの景観保全を優先したい。 B公園利用の観点に立った利用者の導線。生態系保全の重要性を勘案して選定したい。 C環境省としては、八幡平から続く奥羽山脈の南北をつなぐ生態系ネットワークの形成から、 要望内容も参考に国立公園の拡張や国定公園新規指定のストーリーを描いてみたい、と述べた。 |
2023.11.28 | ●環境大臣へ要望書 |
@ 拡張地域と既存公園の地種区分格上げ地域の要望<添付資料> | |
2023.12.1〜 | 新聞報道(北麓新聞) (秋田さきがけ) |
北秋田市長 津谷永光 | 津谷永市長に追加拡張地域の阿仁川・内陸線沿線の里地里山地域を説明 | |
●今回の要望書は、私達が考えていることを全て盛り込んだ。早期の取り組みを求めました。 ●津谷市長は「皆さんの要望を国に伝え、一緒になって進めていきたい」と答えた。 |
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秋田県自然保護課長 千葉 崇 |
2024.5.21 | 北麓新聞 |
1990.6.5 〜 2023.11.28 |
● 森吉山の国定公園格上げ運動の変遷 <資料-100> |
2019.11.20 | ● 森吉山県立自然公園の国定公園昇格について(意見書)を 北秋田市長(津谷永光)に提出 <資料-101> |