里地里山を飾る野草と樹木


春彼岸の頃、雪解けを待ちわびたフキノトウが目覚めると、
里山の川渕、あぜ道、雑木林を舞台に、はかない春の妖精たちのコーラス会が開演されます。
路傍の春たち 
   
フキノトウ(キク科)※方言で ばっけ。
春の一番花は、葉っぱを茹でて味噌を加えて炒めた「ばっけ味噌」が美味。     
   
キクザキイチリンソウ(キク科)
※雪解けとともに里山の陽だまりに群落をつくる早春花。色は青紫と白。フキノトウと混生する。  
   
シロヤナギ
※日当たりのいい川岸の住人
  ヤマネコヤナギの雄花
※沢筋や林縁を好む芽吹きの一番花。
  オオネコヤナギの雄花
※日当たりのいい川岸の住人  
   
キブシ(キブシ科)
※道路の法面や林渕の日当たりを好む 
  カタクリ(ユリ科)
※はかない春の妖精は里山の原風景 
   
   
オオイヌフグリ (ゴマノハグサ科)
※イヌフグリは、受粉が終わると一日ごとに花びらを落としかえるとか。明治時代に日本に渡来した帰化植物。
  ヒメオドリコソウ(シソ科) 
※ヒメオドリコソウは他の潜入者を寄せ付けない路傍のグランドカバーを形成する。
  ツクシ とオオイヌフグリ
※ツクシは頭から胞子を飛ばすスギナの茎である。金平糖のようなイヌフグリと見事に共生する。
   
ヤマドリゼンマイ(シダ植物) 
※水気の多い水路や林地を好む。
一般のゼンマイと見分けが付かないほど似ているが茎が黄色味を帯びている。
ゼンマイ同様干しあげる。 
  オニゼンマイ(シダ植物)
※早春にゼンマイ同様のぐるぐる巻きの新芽を出して発芽し1mまで伸びる。
林縁の陽だまりを好むようだ。
 
  コゴミ(シダ植物)
※正式名称はクサソテツ。渦巻状の新芽は食用で、おひたし、ごま和え、天ぷらなど旬の恵み。スギ林の林床を埋め尽くすように発芽し1mまで伸びる。 
   
 カキドオシ(シソ科)
※日当たりのよい畔道や林縁を好む
  ツボスミレ(スミレ科)
※日当たりのよい畦道や林縁を好む
  タチボスミレ(スミレ科)
※ 日当たりのよい畦道や林縁を好む
   
ミヤマキケマン (ケシ科)
※日当たりのよい原や林のふち、
沢筋の礫地、山地の崩壊地を好む
  ムラサキケマン(ケシ科)
※日陰のやや湿ったところに咲く 5/6 
  セイヨウタンポポ(キク科)
※日本の野原や道端を占領した
セイヨウタンポポの花園 5/8
         
路傍の初夏 ~盛夏
路傍の草地は紙風船の打ち上げ会場 
   
セイヨウタンポポの旅立ち 
ハルジオン(キク科) 
タンポポが綿毛を飛ばし終える頃、路肩や農道や田んぼのあぜ路の主役はハルジオンの群落と化す。
北米大陸原産の30~60㎝の多年草で、大正初期に観賞用として輸入したものが戦後都心から各地に広がった帰化植物だという。   
   
エゾムラサキ(ムラサキ科) 
ハルジオンと共に咲く
路傍のグランドカバー
  ハルジオン(キク科)  
田圃の農道はハルジオンノ舞踏会場だ
  シャク (セリ科)?
清楚なレース状の花は
主役を引き立てるカスミソウ役を演ずる。
   
 フジ(マメ科)
自生のフジは初夏の里山の風物詩。
タニウツギと彩を競う。
  タニウツギ(スイカズラ科) 
日あたりのよい山地から亜高山帯まで
普通にみられる。
  カンボク(スイカズラ科)
里地から山地まで普通にみられる
大輪の白い額輪は圧巻である。
   
ツクバネウツギの亜種?    リョウブ(リョウブ科)
※道路や林渕のマントを造る。 
   
路傍の秋~晩秋達 
   
ツユクサ(ツユクサ科) 
路傍のブルーのツユクサが
秋の訪れを告げる
  ノアザミ(キク科)
最も普通に見られる多年草 
  ノアザミとヒョウモン蝶 
   
キンエノコロ:猫じゃらし(イネ科)
里地の畑や田圃のあぜ道を占領する
  朝露に輝くクモの糸巣
秋の畑地は被写体に困らない 
  アキノエノコログサ:猫じゃらし(イネ科) 
キンエノコロと一緒に里地の占領者
   
ダンドボロギク(キク科) 
昭和初期に入り込んだ北米原産の
多年草は畑や荒れ地を占有。
   ミズヒキ(ダテ科)
秋の畑地は猫じゃらしと背比べ
  トリアシショウマ(ユキノシタ科) 
里地から深山の林内や草原に進出
 
初冬のみやび 
   
夕餉の窓辺 11/24    初雪の窓辺 12./2