阿仁川アユ CF肥満度(7・8・9月 日別平均)

CF肥満度 = 1000 × 体重(g) ÷ 体長(cm)3
下のボタンで 7月・8月・9月 のグラフを切り替えできます。

CF 10.0~12.0 … やや痩せ気味
CF 12.0~13.0 … 標準の下限
CF 13.0~14.5 … 標準~生育良好
CF 14.5以上 … 非常に良好(幅広傾向)

阿仁川アユの肥満度調査から見えること

7月の阿仁川アユ(例)

7月 ― 生育良好でスタート

7月の平均肥満度は CF 14.4。
いわゆる「生育良好~非常に良好」のゾーンで、肩が張った幅広の魚体も混ざる時期でした。
石に新しい苔がしっかり付き、阿仁川らしい瀬のアユが元気に育っていたことが数字からも分かります。

8月の阿仁川アユ(例)

8月 ― 豪雨と出水の影響で、ややスリムに

8月の平均肥満度は CF 13.7。
「標準~やや良好」の範囲ですが、7月より少し数字が下がっています。8月中旬以降は豪雨と濁りが続き、 石の苔が一度流されてしまう場面も多く、アユが思うようにエサを食べられない区間が出てきました。
グラフを見ると、場所やタイミングによって太り具合に差が出てきていることが分かります。

9月の阿仁川アユ(例)

9月 ― 標準の下限付近まで低下

9月の平均肥満度は CF 13.2。
調査日数・検体数ともに少ないものの、値としては標準の下限付近まで下がりました。 特に下流域の温泉下では CF 10.9 と痩せた個体も確認され、繰り返した増水と濁りが秋口のコンディションに 影響した可能性がうかがえます。一方で、上流部では CF 14.3 と比較的高い値が維持されており、 環境の違いがはっきり数字に出た形になっています。

 令和7年度の検体アユの肥満度調査は、7月から9月にかけて、阿仁川本流および支流小又川の各地点で、 釣獲魚の体長・体重から CF(1000×W/L³)を算出し、日別の平均値を取りまとめたものです。 ただし、8月中旬から9月末にかけては災害級の豪雨が度重なり、出水と長期濁りのために調査が制限されました。 特に8月後半~9月の調査日数および検体数は十分とは言えず、結果の解釈にあたっては 「全体の傾向をつかむための資料である」こととご理解ください。

肥満度の月別平均値は、7月が 14.4、8月が 13.7、9月が 13.2で、 7〜9月全体では 13.8となりました。 一般的な目安として、CF 13台が「標準〜まずまず」、14台が「生育良好」、15以上が「非常に良好(幅広傾向)」と 評価できることから、本年度阿仁川のアユは、
・7月は「生育良好~非常に良好」なスタート
・8月は豪雨の影響を受けつつも「標準~やや良好」
・9月は標準の下限付近まで低下
という流れになっていることが読み取れます。

流域別に見ると、上流部の平均肥満度は 14.3、下流部は 13.9で、上流部の方がやや高い値でした。 上流域では石質の安定した岩盤や瀬が多く、豪雨後も苔の残る場所や苔の回復が比較的早い場所が多いことから、 餌環境や水質が下流部よりも安定していた可能性があります。 水温がやや低めに推移したことも、代謝と餌量のバランスを整え、結果として上流部のアユの太りを支えた要因と考えられます。  ※小又川合流点を基点として上流部、下流部に分けています


 洪水が発生すると、河床の石に付着した付着藻類(苔)が流失し、逆に安定した状態が続くと付着藻類が豊富になることが知られています。 アユの肥満度は、こうした付着藻類の量や質の変化を間接的に反映する指標と位置付けることができます。 本調査で得られた肥満度の推移は、阿仁川における増水・濁水と、その後の付着藻類の回復過程、 水質や水温条件などが組み合わさった結果として解釈することが可能であり、生育条件の良否を定量的に把握するうえで有用な情報を提供していると考えられます。

将来も、阿仁川らしいアユが育つ川であり続けるためには、 「どのエリアで、いつ、どのくらい太っているか・痩せているか」を 継続的に見ていくことが大切だと考えています。 近年は、災害級の豪雨や洪水、ダム操作による小又川からの高水、 濁水の長期化、河床形状の変化など、川をとりまく条件が大きく変わってきました。 こうした中で集めているアユの“肥満度”のデータは、 釣り人の現場での感覚を裏付けるだけでなく、 将来どのような河川環境を残していくべきかを考えるための 「ひとつの羅針盤」になるものと考えています。 グラフに示される細かな数字そのものも大切ですが、 単なる統計データとして見るのではなく、 「アユの太り具合を通して、川の調子を確かめていく取り組み」であることを ご理解いただければ幸いです。