ルワンダ奨学基金への取組みについて

金剛禅総本山少林寺大館三ノ丸道院

道院長      小 林 佳 久

 開祖は、人づくりによる理想境建設を目的として金剛禅総本山少林寺を開基し、少林寺拳法を創始されました。 中国東北地方で終戦を迎えた開祖は、旧ソ連軍の軍政下で、「人、人、人、全ては人の質にある《ということを悟られました。政治も軍事も教育も、全てのことが人によって行なわれる以上、その立場に立つ人の考え方や人格によって、結果に大変な差がでる事を発見されたのです。 そこで開祖は、本当の平和を達成するためには、慈悲心と勇気と正義感の強い人間を一人でも多く育てるしかないと考えられました。平和で豊かな社会への道は、どんなに遠回りに見えても人間の心の改造と平和的手段による社会変革しかないと確信されたのです。 開祖の志を我が思いとする金剛禅門信徒は、強くて優しくて賢い人間になって、自信と勇気と慈悲心と正義感を兼ね備えた社会の指導者になれるように、日々少林寺拳法を主行とした「自己確立《と「自他共楽《の金剛禅修行に励んでいます。
 しかし翻って世界を見渡すと、戦争や紛争に翻弄され、政治的混乱や環境破壊などの危機的状況におかれ、貧困に苦しんでいる国や地域の人たちが、とても多く存在する事に気がつきます。平和で豊かな社会とはまるで反対の惨めで悲惨な暮らしにあえいでいる人たちが、其処此処にいるのです。 金剛禅と少林寺拳法の理念によれば、人づくりこそが、平和で豊かな国づくりへの唯一の道です。武力によってでは、決して平和を実現できないのです。 そんな中で、アフリカ平和再建委員会(ARC)は、1994年に政治的対立が引き起こした虐殺によって3ヶ月間で100万人以上の人命が奪われた国であるルワンダにおいて、国民の再融和と平和再建のための国民自らの努力を積極的に支援しています。まさに人づくりによる国づくりを応援しているNGOなのです。 大館三ノ丸道院では、以前からこの会の趣旨に賛同し、会員としてその活動を応援しています。 そのARC が、「ルワンダ奨学基金《というアクティビティーをはじめました。「ルワンダ奨学基金《とは、ルワンダの子供たちが学校に通えるようにみんなで教育資金を支援しようというものです。ルワンダでは、多くの子供が戦災孤児やエイズ孤児となり、学校に行けない子供が数多くいます。また、家族がいても、貧困などの問題で学校教育を受けられない子供たちも多いのです。 世界の貧困国をみるに、どこにも共通している事は教育が充分ではないという事です。教育がなければ豊かにも平和にもなれないのです。国づくりの第一歩は人づくりであり、その人づくりの第一歩は国民に教育を受けさせる事です。 ルワンダで一人の子供が1年間学校に通うためには、日本円にして8000円必要です。当道院では、3口24000円の支援で写真にある3人の子供たちを学校に通わせています。この子達が、将来のルワンダを背負い、平和で豊かな社会を実現してくれることを夢見て。


大館三ノ丸道院が支援している生徒たちのプロフィル

吊 前 CYIRINGIRO Isaq (男 12歳)
学校吊 Centre Scolaire de KABUSUNZU
(小学校)3年B組




吊 前 MUTETERI Jolie (女 9歳)
学 校 Centre Scolaire de KABUSUNZU
(小学校) 2年G組




吊 前 NIWEMUBYEYI Amina (女 9歳)
学 校 Centre Scolaire de KABUSUNZU
(小学校) 2年H組


ルワンダ奨学基金に対する大館三ノ丸道院の募金状況

出紊帳

2003年4月1日現在

 ルワンダでの人づくりによる国づくりという壮大なプロジェクトへの奉仕を通じて、自らも「脚下照顧《し、教育の重要性をあらためて考え直したいと思います。 教育という側面からも非常に恵まれた環境にいる私たち日本の金剛禅門信徒自身も、「自己確立《と「自他共楽《の修行に励み、社会の指導者として日本のそして世界の平和と福祉に貢献していく誓いをより強固なものにしましょう。 そして、信徒一人一人が、身近なところから主体的に行動して欲しいと考えています。皆さんが、ますます徳を積まれ、ご活躍されますことを祈念致します。

ルワンダ奨学基金への取組み.xls

合 掌