時 事 法 談 (77)

「原点を知ろう識」

2006年8月1日

大館三ノ丸道院専有道場にて

合掌

 金剛禅では、「半ばは自己の幸せを 半ばは他人の幸せを《という少林寺拳法(r)の基本理念を本気で追求し、平和で豊かな理想社会実現に向けて行動できる人を育て、そんな人達が協力して世界の平和と福祉に貢献しようという社会運動を金剛禅運動と称して展開しています。 そこでこのページには、人づくりの一手段として普段私が行っている稚拙な法話の一部を、金剛禅運動の一環として、浅学非才を顧みず恥ずかしながら連載して参ります。(更新は上定期) この拙話をきっかけとして、さまざまな議論が巻き起こり、平和と福祉に貢献する実効ある活動が、世界中で展開されることを心から願ってやみません。皆様のご意見ご感想をお寄せ下さい。

結手

さて、今回は「原点を知ろう《と題してお話します。

1、 海に行ってきました

 昨日、仕事を休んで海に行ってきました。岩場で子供を遊ばせながら大自然に包まれる時間を過ごしました。普段は、モグラのようにお日様にあたらずせわしなく時間に追われる生活をしているので、この小旅行はとても有意義な時間でした。まあ、背中や肩が日焼けで痛くてしょうがないんですけどね。

2、 命の尊さ

 岩場で水平線をボーっと眺めていると、地球の大きさ偉大さに感動します。逆にすぐ近くを良く見てみると、小さなカニや魚など、多くの生き物が生き生きと生きているんです。その営みを観察して、命の尊さ素晴らしさを実感しました。

3、 開創の動機と目的

 開祖は、この命をどこまでも大切にされた方でした。 新入門もいますので、また「金剛禅開創の動機と目的《を確認します。初めての人は、開祖がどんな思いでこの道を作られたのか知ってほしいと思います。よくわかっている人は、もっともっと深く理解してください。開祖の初心、これは私たち金剛禅門信徒にとって、何よりも大切なことなのです。 それでは、教範を読みながら進めていきます。(略)

4、 開祖のようになること

 開祖は、一人でも多くの人が強くやさしく賢くなり、誇り高く世のため人のために行動することを願っておられました。同時に、開祖自身がそうなろうと努力され、またそうなられたのだと思います。 とすれば、私たちは、開祖のようになることを目標に修行すれば良いわけです。技術も思想も行動の仕方も、開祖というお手本を真似ていくことが道を極める最短距離です。そのためには、正しく開祖を知らなければなりません。最近ずっと技術ではそれをやってきていますよね。でも技術ばかりではなく、もっと本質的な開祖の生き方についても、真剣に学んでいきましょうね。

5、 開祖の人となり

 学ぶとは、真似をするということです。まずは、いろいろなものから開祖を知ることからはじめていきましょう。とても良い教材が50年誌です。今日はその中でも大学紛争に対する学生のかかわり方について、開祖はどう考えられたかを見てみましょう。開祖は、「全共闘の側に立つにせよ、それと反対する側に立つにせよ、自分の信念に従って行動せよ。その行動を貫いたものは立派である。《と評価されました。「開祖の目は、大学の若い拳士たちが、自分の目でどう判断し、どう生きていくかに注がれていた《のです。
 それではここで、今月号の会報に掲載された王毅中日特命全権大使の講演要旨と編集後記を読んで、今の靖国問題についてご自分の意見をまとめてみてください。その意見の善し悪しではなく、自分の意見を持つということにテーマを絞って取り組んでいただきたいと思います。(発表は略)
 もちろん、金剛禅の教えに従って判断していくことが大切ですが、まずは、自分の意見を持つ、ということが前提条件です。何事にも自己確立に向けて正面から取り組んでいきたいと思います。いつかは開祖のようになることを目指して。

以上

 なお、このWEBサイトは、当道院平泉雅章拳士の企画製作により運営されています。この場を借りて感謝を申し述べます。

(宗)金剛禅総本山少林寺大館三ノ丸道院

道院長   小 林 佳 久

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