時 事 法 談 (2)

「「夢《を追い続ける」

2000年1月18日

大館三ノ丸道院専有道場にて

合掌

 金剛禅では、「半ばは自己の幸せを 半ばは他人の幸せを《という少林寺拳法(r)の基本理念を本気で追求し、平和で豊かな理想社会実現に向けて行動できる人を育て、そんな人達が協力して世界の平和と福祉に貢献しようという社会運動を金剛禅運動と称して展開しています。
 そこでこのページには、人づくりの一手段として普段私が行っている稚拙な法話の一部を、金剛禅運動の一環として、浅学非才を顧みず恥ずかしながら連載して参ります。(更新は上定期)
 この拙話をきっかけとして、さまざまな議論が巻き起こり、平和と福祉に貢献する実効ある活動が、世界中で展開されることを心から願ってやみません。皆様のご意見ご感想をお寄せ下さい。

結手

さて、今回は「夢《について考えてみたいと思います。

1、 某高等学校長の言葉

 先日、ある教育関係のシンポジウムに幹部拳士数吊とともに参加しました。そこでは、パネルディスカッションが行われ、小学生から大学生までが、パネリストとして各自将来の夢を発表し、会場から賞賛を受けていました。そんな中客席から、一人の高校生が「子供と大人の違いは、夢があるかないかであると思う。《と意見を発表しました。それに対して、座長を務めていた某高等学校の校長先生は、「考えてみればまさにそのとおりだ。目から鱗が落ちるようだ。《とのたまったのです。 せっかくパネリスト達が、夢を追いかけている大人の姿に触れ感動して、自らも夢を描いてそのことを発表したにもかかわらず、子供の夢を摘み取る情けないやりとりでした。しかも、そこで時間切れとなりシンポジウムは終了したのです。非常に後味の悪い思いをしました。

2、 夢や願いを実現する使命感

 バブルの崩壊後、大人達が夢を語らなくなりました。というよりも、誰もが信念を失い、夢や目的が何なのか見えなくなってしまったようです。それまで必死で追い求め続けた経済ではなく、別の何かを目的にしなければならないと思ってはみても、その何かが分からず右往左往しているのが現実ではないでしょうか。 金剛禅は、その開創当初から「半ばは自己の幸せを 半ばは他人の幸せを《という基本理念を本気で追求し、平和で豊かな理想社会実現に向けて行動できる人を育て、そんな人達が協力して世界の平和と福祉に貢献しようという大きな夢を掲げて活動してきました。 私たち拳士は、この開祖の大きな夢や願いを我が思いとし、それを実現しようとする強い使命感をもって、夢を無くし信念を持たない悩める人々を正道に導く聖業にいそしまなければならないのです。 新年にあたり、自己確立と自他共楽の修行はもちろん、布教活動の充実を誓い合いたいと思います。

以上

 なお、このWEBサイトは、当道院平泉雅章拳士の企画製作により運営されています。この場を借りて感謝を申し述べます。

(宗)金剛禅総本山少林寺大館三ノ丸道院

道院長   小 林 佳 久

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