日時 平成22年7月22日(木)午前11時35分
                場所 上小阿仁小・中学校 体育館


 4月5日に始業式・入学式を行い平成22年度がスタートしましたが,今日はもう,一学期の終業式となりました。あっという間に一学期が終わったような気がします。皆さんはどうでしょうか。4月から7月まで,学校に登校する日は何日あったと思いますか。(間)73日ありました。4月に入学・進級し,今年の目標を決めて努力してきたと思いますが,自分の目標はどれくらいできましたか。この73日の間に,たくさんの活動がありました。体育祭や各部活動,郡市総体や吹奏楽コンクール,修学旅行,宿泊体験学習,学校農園活動,キノコの植菌,本物体験のわらび座「カッパのパッカ」やユウ燕さんの歌…。全県総体では安藤駿君が大会新記録で優勝し,東北大会出場を決めてくれました。さて,皆さんの一番心に残っていることはどんなことでしょうか。
 今年の4月から,「私たちの村は私たちの手で〜本物体験,みどりの村の創生プロジェクト」というテーマのもと,総合的な学習の時間を中心に,様々な取組をしてきました。その中で,私の心に残っている出来事を3つ紹介します。
 1つ目は,学校農園です。今年はトラック12台分の山の土を畑に入れ,村の野外センターやJA,地域の方々にも指導していただき,村の特産物の栽培にも取り組みました。どんな作物を栽培しているか知っていますね。(米ナスを見せる)これは米ナス。その他に…(プッチーニ,アイスプラント,ズッキーニ,食用ホオズキ,ミニトマト,サツマイモ)しかし,作物が育つのと一緒に草もどんどん育ちました。その草を放課後に自主的に取ってくれていた人たちがいました。私が見たのは,6年生の小原彩愛さんと長谷川智奈さんですが,後で聞いたら,もっとたくさんの人たちが草取りをしてくれていたようです。作物がどんどん育つと上が重くなります。そんな時に,「倒れないように結んだ方がいいよ」と2年生の武石喜也君が結び方を説明した手紙をくれました。農業は生き物を育てなければならないので大変です。なぜなら作物は,人間の都合に合わせてくれないからです。しかし,畑の作物は人間が生きていくために必ず必要です。それを作るのが農業です。皆さんがしっかりと学習をして,この村の農業をもっともっと発展させてほしいと思います。
 2つ目は,先週,海辺の町宿泊体験学習で八森のハタハタ館に行って,本校の農園でとれた野菜を無料で配り,村の特産物の宣伝をしてきた5年生の活動です。その時の様子が,新聞でも紹介されました。(拡大新聞を見せる)私は皆さんが今年育てている,プッチーニ,アイスプラント,ズッキーニは食べたことが無く,料理の仕方も分かりませんでした。村を出てハタハタ館の前で,村の半纏を着た5年生が,初めて合う人たちに特産物の野菜の食べ方やコアニチドリなど村のことを説明しようと取り組んでくれたことはとても大切なことです。なぜなら,農業に取り組み立派な野菜などを作っても,それをたくさんの人に知ってもらい買ってもらわないと職業として成り立たないからです。5年生から野菜をもらってお話をした八峰町の方から,お礼の手紙が届きました。その手紙には,野菜を家族で美味しいと喜び合って食べたこと,コアニチドリを見るため8月14日の「ふるさとフェスティバル」に来ること,そして俳句が書かれていました。その句は「藪の中 輝くコアニチドリかな」(繰り返す)というものでした。「輝くコアニチドリ」は,5年生の皆さんのことを詠んだのだと思います。
 3つ目は,郷土芸能の伝承活動に取り組んでいる中学生のことです。大林の獅子踊りと小沢田の駒踊りはこれまでも取り組んできましたので,今年から小学6年生が参加しても,中学3年生がしっかりとリードし練習を進めており,教えに来てくれている地域の方々も感心しています。しかし,今年から新たに取り組み中学1年生が挑戦している八木沢の番楽はなかなか大変です。この本を見たことはありますか。(拡大表紙を見せる)これは,今年3月に卒業した安藤瞳さんが3年がかりで,村の郷土芸能について漫画としてまとめたものです。図書館や図書コーナーにも置いてあります。この中で,「八木沢番楽は地区の人口減少でできなくなった,上小阿仁村の子どもとして僕たちが受け継いで後世に伝えていけたらいいのになあ…。」と結んでいます。練習では3名の地域の方の外に地域おこし協力隊の水原さんと桝本さんから指導してもらっていますが,脚の動きや扇の使い方など簡単には覚えることができません。先回の練習の後,教えに来てくれている沖田面の佐藤金二郎さんが,「この前,中学1年生の北林君が,踊り方を教えてくださいと言って,家を訪ねてきた。また来るかもしれないから,今回は太鼓を家に持って行くよ。」と喜んで話してくれました。私はこの話を聞いて,本当に嬉しくなりました。そうです。この村の伝統芸能を受け継いでいけるのは,君たちしかいないのです。
 今日の話は長くなりましたが,最後に皆さんに紹介したいことがあります。それは,今日,村から小学生全員に,自転車用のヘルメットが届いたことです。後で山田教育委員長からいただきますが,村民の皆さんが,小学生の自転車乗りでも事故がないようにと,皆さんの安全を考えて学校に準備してくれました。学校から貸し出す事になりますが,自転車を乗る時には必ず着用して,安全な自転車乗りをしてください。
明日から夏休みです。8月25日までの34日間,男子中学生の万灯火が初参加する「おらがふるさとフェスティバル」やねぶ流し,村球技大会等,地域の行事には積極的に参加してほしいと思います。そして,飛び出しなどによる交通事故や水の事故に遭わずに,8月26日,全員が元気に登校するのを楽しみに待っています。

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